「じゃあ、そろそろ行こうか、レイジングハート」
「All right.my master」
なのはは机上に置かれたレイジングハートを手に取ると、いってきま~す、と自宅を後にした
街中にある公園、昼間は子供や子連れの親子で騒がしいこの公園も、日が沈んだ夜となれば静寂に包まれていた
と、そこに街灯の逆行になったシルエットが暗闇の中から浮かんできた
「お待たせ、なのは」
「あ、フェイトちゃん」
公園にてフェイトと合流を果たしたなのはは、念話を時限航行艦『アースラ』の管制室にいろエイミィ・・リミエッタに向けて飛ばした
「エイミィさん、準備が出来たので転送、お願いしま~す」
「は~い、今から転送陣開くよ~」
その念話が飛んできてまもなく、なのはとフェイトの足元に魔方陣が展開され、なのは達を別の場所へと転送した
__________
「こんばんわ、エイミィさん、リンディさん」
転送ポーチから管制室へと来たなのは達を迎えたのは、アースラ通信主任兼執務官補佐のエイミィと、提督のリンディ・ハラオウンだった
「あら、なのはさん、こんばんわ」
「あれ、クロノ君はどこですか?」
「何か呼んだか?」
声に気付いて後ろを振り向くと、そこにはクロノ・ハラオウンがいた
「あ、クロノ、いたんだ」
「いたんだ、とはなんだ、いたんだ、とは」
見当たらなかった姿を見つけたフェイトと、存在に気付かれていなかったクロノが、言葉に皮肉を含みながら言葉を交わしていた
「まあまあ、二人とも」
「今はそれどころじゃないでしょ、クロノ君」
リンディとエイミィが手馴れたように二人を止めると、ようやく落ち着いた、というような雰囲気のなかでリンディが話し始めた
「さて、二人とも。今日は見てもらいたいものがあるの」
「見てもらいたいもの?」
「これなの」
エイミィがそういうと、モニターをなのは達の前に出した
「これは?」
出てきたモニターには、三角形の形をした板状の宝石のような物が映っていた
「これは先日、とある世界で発見された古代遺失物(ロストロギア)で、通称『ハイメル』と呼ばれている」
「ハイメル・・・」
「で、これを私達にどうしろと?」
「いえ、今日見せたからといって何かということはないけれど、もしかしたら今後関わる事もあるかもしれないから、一応知っておいてもらおうと思ったのよ」
要求された質問にリンディが答えた
「この件については僕達で対応に当たるから、直接君達に関わってくることはないとは思うよ」
「うん、わかった」
「今日は特に任務があるわけてもないから、アースラも自由に使ってもらってかまわないわ」
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらって」
「いこう、なのは」
「うん」
そういうと二人は居住区エリアへと進んでいった
__________
翌日、なのはは何ら変わりない日常を送っていた
いつものメンバーで、いつもと同じように遊んだり騒いだり
そして、その仲には新たな仲間の蓮も入っていた
やがて学校も終わり、何事もなく無事、帰宅した
そして、家族との夕食も済ませ、ひと段落ついた頃だった
__________
『ウィーン、ウィーン』
「アラート!?」
ベッドで横になっていたなのはの耳にはっきりと届く、しかし家族のもとには届かないほどの音の警報音がレイジングハートから流れた
アラートを聞いたなのはは急いで仕度を済ませると、すぐさま部屋を出た
「行ってきまーす」
「いってらっしゃい」
「気を付けて行けよ、なのは」
魔法や時空管理局のことなどを理解してくれている桃子や士郎ら家族の見送りを受けて家を後にした
__________
「リンディさん」
「母さん」
例の公園で合流したなのはとフェイトは、管制室でリンディに会った
そして、その次に・・・
「クロノ!?」
フェイトは右手と左足に包帯を巻いた義兄の姿を見つけた
「クロノ、大丈夫?痛くない?」
負傷した姿を見て慌てふためいている義妹を落ち着かせるように
「大丈夫だ。見た目ほどたいした怪我じゃない」
と、クロノはいった
「そうなの・・・・。良かった・・・・」
安堵したフェイトを確認したなのはは、リンディへと向き直った
「一体何があったんですか?あのクロノ君が・・・・
クロノはどんな状況下であっても冷静に事態に対処するタイプの人間だった
そのため、不意打ちを喰らっても対処する能力があるので、不意打ちで始まった戦闘においても彼はこなせるのである
しっかし、その彼があれだけの負傷をしたのだから、よほどのことがあったに違いない、となのはは予測したのである
「なんだということはない。不意打ちを喰らっただけだ」
「いや、だからそれがおかしいと思ったから・・・・」
なのはがそう抗議したところにエイミィが解説を加えた
「不意打ちを受けたのは本当よ。それに、アースラのサーチャーもしっかり起動してた」
「それなら、なおさらどうして・・・・」
そこまで言ったとき、リンディが短くなのはに言った
「相手が速すぎたのよ」
「速すぎた?」
リンディが示した回答の意味をいまいち理解できなかったなのはは小さく言葉を繰り返した
「どういうこと?母さん」
私から説明するね
エイミィがそういうと、なのは達の前にモニターが出された
そこには、ハイメルの入ったケースを護送中のクロノの姿が映し出されていた
「ついさっき、とある世界の発掘現場からハイメルが発見されたの、それでアースラが赴(おもむ)いてクロノ君が回収に行ったんだけどね」
そこで一度言葉を打ち切ると、モニターの右隅にレーダーのような物が出された
「そのときレーダーに、クロノ君の遠くの方に飛行物体があることを反応したの」
ばびがちフェイトは、モニターに目をやりつつエイミィの言葉に耳を貸していた
「それがね、ここ。3000m付近に差し掛かった時に・・・・見てて」
そう聞き、レーダーのほうに目を凝らしていた
そして、3000m地点を過ぎた瞬間・・・
「「消えた!?」」
となのはとフェイトは口を揃えた
「そう、消えたの。そしてその数秒後にクロノ君は何者かの襲撃を受けたの」
護送中の映像では、確かにクロノが何者かの襲撃を受けていた
が、その顔は仮面を付けていて、詳細なところまでを知る事はできなかった
「まさか、空間転移?」
なのははそうエイミィに尋ねたが、エイミィの首は縦ではなく横に振られた
「私もそう思って調べてみたんだけど、どうやら空間転移ではないみたいなの」
「だが、魔力反応事態はあったんだ」
そうクロノが加え、さらに言葉を続けた
「魔力反応はあったが空間転移ではない。だが、実際に僕はこうして襲撃を受けている」
「つまり、犯人が行ったのは、魔力により加速された飛行速度による超高速移動、といったところかしらね」
最後にリンディがそういった
「でも、そんなことできるんですか?」
なのはが持った疑問はもっともだった
元来、飛行速度を加速させることはよくあることだ
しかし、いくら速度を上げても、さすがにレーダーからの反応をロストさせるだけの速度までには満たない
少なくとも、なのはもフェイトも、もちろんクロノもエイミィも、リンディでさえもそんな人間は見たことがなかった
「理論上はね」
エイミィは軽くなのはに返した
「ただ、それを行うにはそれだけの速度に到達させるだけの魔力量と、その速度に耐えうるだけの肉体かバリアジャケットが必要になってくるの。それに、この場合だと、一瞬で反応をロストしてるから、瞬間的に膨大な魔力を放たなきゃいけないから・・・・」
「相当な魔力の持ち主ですね」
なのはがそう結論付け、エイミィもそれにうなずいた
「ところで、そのハイメルはどうなったの?」
状況を整理していたフェイトがリンディ達にそう聞いた
「ハイメル自体はクロノがすぐに反応に気付いてくれたから無事よ。ただ」
「いきなりの事だったからね、ハイメルを守るので精一杯だったよ。お蔭様でケースは大破して、僕もこの有様さ」
と、自嘲を含みながらクロノが説明した
「一瞬で反応をロストさせるだけの魔力を持ちつつ、ケースとジャケットを貫いて魔導士本体にまでこれだけの負傷を負わせる攻撃力を兼ね備えている。厄介ですね」
状況を整理した上で、現状と難点をなのはは指摘した
「ええ。今回クロノ自身に被害は出たものの、砕かれたのがケースであることや、クロノ自身に追撃が加えられてい兄事から、犯人はハイメルを狙ったものと推測されます。もしも今後もこのような事が続いた場合、なのはさんやフェイトの協力も仰(あお)ぐ事になると思うから、よろしくね」
「はい、分かりました」
「それでは、今日のところはこれで解散とします。各員、体を休めておくように」
リンディがそう告げると、前線メンバー及び、指令担当による緊急会議は終わった
__________
いや~、今回は見事にはやてが一切登場しませんでしたね
まったく、何をやってるんだか・・・・・
さて、やっと物語が展開してまいりました
最近、書くのが楽しくてたまらない毎日です(ちと大袈裟か?)
続きも夜な夜な考えさせていただくとしますかな
では!
P,S, テンプレートも治ったみたでいで、よかったよかった
「かんぱ~い」
アリサの掛け声で歓迎会は始まった
喫茶翠屋では、アリサを中心として、なのは、フェイト、はやて、すずからによる蓮の歓迎会が開かれていた
つつましくはあるものの、中身、特に料理(大半がスイーツだが)の方は充実していた
というのも、そのほとんどは海外の本場で実力をつけてきたなのはの母、桃子によるものだった訳ではあるが。
企画者であるアリサは、その日のうちにやるとは思えないほどの企画者ぶりを発揮し、内装などを短時間で見事に整えて見せた
桃子作のスイーツを頬張った6人が口を揃えて言った言葉は
「「おいしい」」
だった
「これ、甘味に砂糖ではなく蜂蜜を使ってますね」
蓮の指摘を受けた桃子は驚いたように
「よくわかったね」
と感心していた
それからしばらくは桃子と蓮がスイーツを語り合っていた
やがて、3、40分後にはアリサを筆頭に全員の気分も乗ってきていた
二時間程経った頃、熱気も若干収まってきた頃を見計らった桃子が会を終わらせるように提案をした
「みんな、そろそろ暗くなってきたし、今日はここら辺でお開きにしましょう?」
見ると外はすでに陽が山陰に掛かっており、蒼天も昏くなり始めていた
時計を見ると、6時18分を指していた
「ん、本当。じゃ、そろそろ」
幹事となっていたアリサの声で蓮の歓迎会はお開きとなった
夕暮れ道、なのは達5人はそれぞれの家へと向かっていた
翠屋の近くを通りかかった時、
「じゃあ、俺はここから道が違うんで」
と蓮が言った
「あ~、そっか。蓮君の家ってシーハイツだったっけ」
となのはが確認するように言うと
「ほんなら、なのはちゃん、私らは私らで行くから、なのはちゃんは蓮君と行ってな」
とはやてが提案した
「ふぇ?」
いきなり出された突拍子もない提案に驚くなのはにさらに追撃を加えるようにフェイトが言葉を発した
「そうね、私たちは3人だから大丈夫だし。一人で帰るのは寂しいし、ね?」
「ね、って言われても…」
なのはがどうしようかとたじろいでいるとアリサが
「さ、行くわよ、すずか、フェイト、はやて」
と言い残し、先に帰ってしまった
「じゃあ、また明日」
「またね、なのは」
すずかとフェイトもせう言い残し、アリサの後を追うように駆けだしていった
翠屋の前では、陽が沈んだ空の下、なのはは呆然と立ち尽くし、蓮も唖然と状況を眺めているしかなかった
__________
「帰りますか」
翠屋の前に取り残されたなのはと蓮は、仕方なく帰ることにした
といっても、シーハイツまでは翠屋から徒歩で大体6、7分程度、全力で走れば3分程度でついてしまう距離なので、送りが必要かと言えば実際の所はそうでもないのだが、これもはやての気遣いだろう、と納得したなのはは先に歩き出した蓮の隣に並んで歩き出した
歩き出したはいい物の…
「……」
「……」
一向に2人の間に会話は生まれなかった
このままでは、と思ったなのはは重くなっていた口を無理矢理開けた
「あのさ……」
「じゃあ、俺はこの辺で」
放った言葉は蓮の言葉でかき消された
え?と驚いたなのはは横を見ると、そこにはシーハイツが建っていた
「あ、もう着いたんだ」
話す機会を逃してしまった、となのはは少し後悔をしていた、と
「あの3階の一番右の部屋が俺の部屋ですよ」
見るとそこには海鳴の海を一望できそうな部屋があった
ありはしたのだが…
「真っ暗…」
そう、その部屋は明かりが点いていなかった
不思議がっているなのはに説明するように蓮は口を開いた
「あの部屋には俺以外は住んではいませんから」
なのはは蓮の更なる発言に驚きを隠せなかった
当然のことながら、14という齢(よわい)のなのは達には両親がいる
しかし、1人暮らし、と言うことは、もちろん両親は同じ住まいではない
「じゃあ蓮君、普段の生活ってどうしてるの?」
なのはは真っ先に持った疑問を率直に蓮に聞いてみた
「洗濯とか買い物とか炊事は全部自分で。一応、親戚の人にお金はもらってるから、特に苦はないですよ」
「でも・・・」
納得のいかない様子のなのはは、さらに質問を重ねた
「さびしくないの?」
「さびしい・・・」
質問を受けた蓮は、質問の意味がわからない、とでも言うかのようにそう呟いていた
やがて、明るく微笑むと
「時々そう思うこともありますけど、みなさんが優しくしてくれますし、あまりそうはおもいませんね」
と答えた
「そっか。何かあったら、絶対に私達を頼ってね。じゃあ、また明日」
なのははそう言うと、踵(きびす)を返し、再び翠屋の方へと駆けていった
一人佇(たたず)む蓮の影は、どこか悲しげな雰囲気を漂わせていた
__________
どうも、凛楓です
今回のお話はあんまり進展することなく終わってしまいました
ん~、構想は練れてても、実際に書いてみると難しいものなんですね、改めて実感しますよ
さて、蓮のご家庭もなかなかに事情がありそうですが、まあ、それは今後のお楽しみ、ということで・・・
「へえ、じゃあ、綾原君って帰国子女なんだ」
「ん、まあ、そういうことになりますね」
「アメリカかぁ、行ってみたいなぁ」
「じゃあ、綾原って英語も話せるんだ」
「日常会話程度ですけどね」
転校生、綾原蓮はホームルーム後の休み時間、同級の生徒だけでなく、他級の生徒からも質問攻めにあっていた
_______________
「初めまして、綾原蓮と言います。親の都合で先日までアメリカで生活してましたので、日本のこととかはあまり知りませんが、よろしくお願いします」
転校生、もとい蓮はズバ抜けて容姿端麗、というわけではなかったものの、平均レベルから比べたらその容姿は1ランクも2ランクも上だった
さらに、後々ながらも学業面、運動面ではその実力は秀でていることもわかり、周りのものをひきつけていた
また話し方や態度で、柔らかく接しやすい態度、という雰囲気からこの少年が温厚篤実なことも伺えた
「みんな、分からないことも多いだろうと思うので、協力してあげるように」
という、教師のありきたりな言葉を聞いたあとに明らかに不自然な席がひとつあったのに何人かの生徒が気がついた
なのはの席の隣に空白の席があったのだ
「じゃあ、、綾原君。君の席はあそこね。あのツインテールの娘の隣の」
「はい、わかりました」
律儀な返事をすると蓮はなのはの隣の席に座った
「よろしくお願いします」
「よろしく」
互いに軽い挨拶を交わすと目線を前に戻した
「さて、じゃあ、浮かれている人も多いと思うけど全員、授業には集中するように」
そういい残して、担任は教室を後にした
_______________
朝、なのは達に転校生の話を持ちかけてきたアリサもその雑踏のなかにいた
しかも、一番前に。
「ねえ、蓮」
「はい?」
「You came to Japan and how did think of Japan?(日本にきてどう思った?)」
英語が話せる、ということでアリサが蓮に質問をしてみたのだった
しかし、いきなりの質問も、あたかも想定していたように蓮は
「I was full of environment and culture, and a lot of gentle one thought that it was a very good country(環境や文化に富んでいて、とても良い国だと思いました)」
と答えて見せた
「お、なかなか」
などとアリサもつい誉めてしまったほどである
「すごいな、綾原って。なんでもできるな」
「いや、そんなことは」
「またまた~、謙遜しちゃって」
そんな和気藹々(わきあいあい)とした会話が繰り広げられていた
・・・・・・・
4時限も終わり、クラスの空気は待ちに待った昼食に向けての物となっていた
なのはの班は、なのは、蓮に加え、フェイト、アリサにその他の男子が2名という計6人構成だった
付け加えておくならばなのは達は3班でなのは達に背を向けるように6班にはやてとすずかがいる(要は、このクラスの席順においては担任が生徒主義なので、右に女子、左に男子、といった区分がなく、最低限、1つの班の人員の性別が2:4に分かれればあとはどんな班でもかまわない、という設定ゆえなのである)
話の切り出しはアリサだった
「本当に蓮ってなんでもできるのね」
「そんなことはないですよ」
蓮が微笑んで否定すると
「そんなことないよ。実力がある人は誇って良いんだよ」
フェイトが窘(たしな)めるようにそういった
「いや、本当に俺なんかよりもすごい人はたくさんいますよ」
と、蓮がそういったとき、何かに気づいたようにアリサが口を開いた
「なのは~、どうかしたの~?」
「ふぇ?」
あまりに唐突に話しかけられたため、箸につかんでいた塩鮭を落としかけていた
「だって、さっきから全然喋ってないし」
「あ、ううん、なんでもない。ただ」
「ただ?」
「綾原君ってもしかして、シーハイツに住んでない?」
シーハイツとは、数年前に高町家の経営している喫茶『翠屋』の近くに新しく建てられたマンションである
立地条件はそこまで良くわないものの、新築ということもあり、入居希望者は結構いる
「はい、そうですけど?」
「そっか、じゃあ、やっぱり」
「やっぱり?」
「うん、この前、翠屋でね、シーハイツに引っ越してくる人がいるって聞いてて、それが確か、綾原って苗字だったと思ったから、ね」
「なるほどね~」
「翠屋ってあの喫茶店のことですか?」
驚いたように蓮がなのはに聞いてきた
「うん、そうだけど」
「そうですか、あそこのスイーツ、おいしいんですよね」
「それはもう、作り手の腕前が半端じゃないからねぇ」
「あそこを経営してるのは、なのはの両親なんだよ」
フェイトが蓮に説明していた
「そうなんですか」
「海外の本場仕込みは違うよね~」
アリサが納得したように頷いた
「まあ、お母さんは、そんなことない、って言ってるけどね」
「やっぱり実力がある人は違うね」
フェイトが柔らかな物言いでいうと四人とも弁当に向き戻った
_____________
キーンコーンカーンコーン
変わらずの雰囲気の中、午後の授業が終わった
帰り支度をしていたなのは達にアリサが提案をした
「ねぇ、あのさ・・・」
提案を聞いたなのはは
「アリサちゃん、ナイスアイディア♪」
と賛同した
特に異議も挙がらなかったのを見て、アリサも満足したようにひとつ大きく頷いた
一方、蓮は着々と帰り支度を済ませていた
とそこに、アリサがやっつきた
「ちょっといい?蓮」
「はい?」
いきなり呼び止められた蓮は少し驚きつつ答えた
「あのさ、今日ってこの後暇?」
そう聞いた蓮は少し困った顔をした
「すいません、今日はちょっと…」
そう聞くと、アリサは残念そうに肩をすくめた
「この後、翠屋に行ってスイーツの作り方を教えて貰おうかと思ってて」
初めは暗いな顔をしていたアリサだったが、みるみるうちに復活していった
「なら丁度よかった。この後ね、翠屋で蓮の歓迎会やろうって話になってるんだ
けど」
それを聞いた蓮は驚いたように手を横に振った
「い、いいですよ。そんな」
相手がたじろいだ瞬間、アリサの勝利が確定した、となのは達は思った
「あ~あ、そっか。まあ、仕方ないよね。今日知り合ったばかりの人達に祝ってもらうなんて」
「いや、そういうわけじゃ」
「引越しの後片付けとかもあるだろうし、無理に、とは言わないよ」
「あの~、アリサさん」
「それにしても、残念だねぇ。仕方ない、帰ろう、なのは」
「・・・・・わかりました。いきます・・・・」
観念したように蓮は肩をすぼめながら言った
その言葉を聴いたアリサは勝ち誇ったように右手でVサインを作って見せた
___________________
あ~、おひさしぶりです
なんか、今回の話ではフェイトとすずかが全然出てこなかったですね~
って、まあ、書いたの私ですけど
あまり読み直さずに書いてるので、時々(結構?)ミスってる点があると思うので、
発見したら、掲示板なりコメントなりに書いてくれると助かります
では、次話こそはフェイト氏を出したいと思います!
この物語はフィクションの上にフィクションです
存在はすべて架空!起こる出来事も全て架空!本編には関係ないです
「いってきま~す」
程よく日が差す小春日和のなか、高町なのはは家を出た
「よ~し、今日も元気にいってみよ~」
などと意気込んでもいたものだ
ー管理外世界97番ー地球、それがこの世界、なのは達が暮らす世界に名付けられた名前である
事の起こりは4年前、異世界人、ユーノ・スクライアによって偶然に齎(もたら)された魔法文化になのはが触れたことにはじまる
突発的な事故からかつての次元災害事件「ジュエルシード事件」になのはが巻き込まれたのである
この事件はなのはと時空管理局の手によって無事解決された
そこから幾年かの年月を重ねるうちに、この世界でも魔法文化が浸透していったのだった(と考えると今の魔法文化の原点はなのはにあるわけで、そういう意味では大変な偉人であるともいえなくはない)
今更ながら考えてみると、人間の適応力とは驚くべきものである
存在しえないと考えられていた魔法という存在を目の前で嫌というほどにみせつけられたのだから、存在を認めぬわけにはいかないだろうが(その時はおそらく、この数多の科学者が苦虫を噛んだことだろう)、それを文化、もとい生活に取り入れるのは数年ではできないだろう
しかし、そこは人間の脅威ともいえる文明発展能力が応用されてくるものだった
魔法文化が環境面に関して、現在のエネルギー面での環境問題をすんなりと解決したことに始まったそれは、現代の科学技術と融合させることでさらなる発展と進歩を進めた
今では、軍事、動力源にはじまり、エネルギー、車の燃料など、身近なところにまで魔法が関わってきていた
そんななか、なのはは天才的な実力を発揮、本局航空魔導士隊にて、この年で二等空尉というエリート道を進んでいた
「フェイトちゃ~ん、はやてちゃ~ん、おはよ~」
「なのはちゃん、おはよう」
「おはよう、なのは」
学校への登校中、親友の八神はやて、フェイト・T(テスタロッサ)・ハラオウンと合流した
ちなみになのはに「ちゃん」をつけた関西弁の方がはやて、そのまま呼んだのがフェイトである
この2人も配属は違うが、航空魔導士である
登校時、3人の話題はあるものとなった
「そういえば2人とも、あの話は聞いた?」
「あの話?」
「そや」
「もしかして、噂の転校生の事?」
「フェイトちゃん、ビンゴや」
転校生、というのは最近話題になっている校内ビッグニュースである
なんでもその転校生というのが
容姿端麗、成績優秀、知勇兼備といわゆる完璧、という噂である
故に生徒間(おもに女子が中心であるが)が噂するのも無理はないのであろう
「ん~、私はあんまり興味ないなぁ」
「どうしてや?」
「だって、格好いいかどうかなんて人それぞれだし」
「まあ、それはそうやけど、ここは盛り上がっとかな、ねぇ?」
「行ってみればわかるでしょう?話だけしててもしかたがないよ」
と、フェイトの言葉で話題は打ちきりになった
私立聖祥大附属中学校、ここがなのは達の通う中学校である
そして、2-C、ここがなのは達のクラスである
朝の教室、ここでも話題の大半は例の転校生でもちきりである
「あ、なのは、おはよう」
「なのはちゃん、おはよう」
こちらも同じく、なのはの親友の月村すずか(ちゃん付)とアリサ・バニングスである
「おはよ~」
「なのは、きょうの転校生、何人くらいが狙ってると思う?」
「そんなこと言われてもなぁ・・・私、そういうの無頓着だから」
「自分でいうかなぁ?それ」
「二人はどう見る?」
「ふぇ?そうやなぁ、どちらかというとフェイトちゃんのほうが勘はは当たりそうやよな」
「私?う~ん、唐突にそんなこといわれてもなぁ」
「な~んだ、結局のところ参考意見ゼロかぁ」
「そういうアリサちゃんはどう見てるの?」
「もちろん、一応は考えてあるわよ。少なくとも、この学年で20人は狙ってるわね」
「根拠は?」
「女の勘」
「当てにならないなぁ・・・」
「なんだと!」
「二人とも、席につかないと。先生来たよ」
相変わらずのトリオ漫才をはやてとフェイトは微笑ましく見ていた
やがて担任教師が教室に来た
朝のショートホームルームの話、教師のほうから話題の出してきた
「さて、今日はみんなにうれしいお知らせがある、といっても、もうほとんどの人が知ってるみたいだけどね。入ってきなさい」
それが、すべての始まりだったのだろう
__________________
やっと1話完成です、凛です
なんか1話分がすごく長かったです、何故?
ま、構想が出来上がってる分、剣の聖女よりはラクでいいですけどね
さて、物語はまだ序章に過ぎませんが、この転校生を中心にいろいろと展開していくんでしょうね、流れ的に
では、二話で会いましょう
1、リリカルなのは、及びリリカルなのはA'sを知っている
※StrikerSは知らなくても大丈夫です
2、上記アニメを概ね理解、及び記憶している
ことが、大前提となります
ちなみに、知らないと話の内容は知らない単語が多々でてくることになります
初期、A's を見たいかたは、DVDを買うか、知り合いでビデオを撮ってる人に見せてもらうか、なんとかしてください
あと、書いてる本人が英語を理解していないので、『 』 で括られている場所はデバイスの発言だと思ってください
但し、ignitionのように、簡単で日本語に訳すと「発火、点火」のように意味のわからないものになる場合や、thank youのように、誰でもわかりそうなものは英語にしていきます
また、極力英語を使うつもりであり、その場合は横に( )で訳を書きます
この小説は日本国の著作権法に基づき作成され、著書作成権、創作物保守権、その他、製作に際して発生する著作権は、すべて、管理者・凛楓、及び原著作者に帰属するものとなります
よって、私的利用による行為を除いた、転写、複製、転載、改変を禁止します
また、引用については、公正な慣行の藩中における使用に限り、許可させていただきます
さて、堅苦しくなりましたが、こうでもしておかないと後々面倒になるものでしてね
半ば、わかる人にしかわからないものになってしまいましたが、まあ、ドンマイということで・・・w
では、1話にてお会いしましょう
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